美しい日本語の辞典

後世に伝えたい日本語、天気を表す日本語、擬音語・擬態語の区分で、日本語の独特の表現や言い回しを収録。
コンセプトはいいが、辞書として「使える」かは疑問。とくにメインの「後世に伝えたい日本語」が単純な50音配列なのが良くない。50音配列は、検索したい語が既に与えられいて、その意味や用法を知りたい時に便利な配列ではある。でも、それなら通常の国語辞典でこと足りる。
そうではなく、表現したい意味やニュアンスに適合する美しい言葉を語を探したいからこそわざわざ本書を使うわけで、それなら50音配列でなくテーマ別の配列にすべきだろう。
使用局面と編集とが整合していないために、無目的にぱらぱらめくって知らない語を見つける、というくらいしか使い道がなさそう。

「美しい日本語」という題名の割に、収録されている日本語は普通っていう印象。
趣味の写真のタイトルの参考になればと購入してみたけれど、あまり使えなさそう。

1冊手元に置いて、一息つくたびに大切にページをめくる。
日本語の美しさ、四季折々の風景、色彩についた日本人の感性ならではの繊細な言葉。
どれをとっても味わい深く、日本人で良かったと思える言葉が並んでいます。「雨・風・雲・雪・空の言葉」の項目がお気に入り。
風景や気温を想像しながら文字を眺めて、言葉を味わう。そんな1冊。

辞書だけど辞書らしくない一冊。
美しい日本語をとことん掘り返し、意味もしっかりと記述されており非常に実用的。
ただカテゴライズが割と独特なので、さっと引いてぱっとわかる!というわけではない。そういった点で辞書らしくないと書きましたが、内容に不満はありません。
良い意味で辞書らしくないのはその表紙。手触りの滑らかな真っ白いカバーに、銀鼠の模様がシンプルながら美しい。2000円+税と決してバカにならない値段なので、ちょっと興味が…という方は図書館での利用をまずおすすめします。

その美しい日本語を話す機会が殆どありませんが、時々読んでは、いつかそんな雲みたいなとか思ってます。
あと、物書きさんは、便利だと思います。

母国語を美しく思える幸せ。色・所作・自然・擬音語・擬態語・・・。
言の葉は生きもの。次世代につなげていきたいものの一つです。この辞書はとにかく装丁が美しいです。常に手元において、自らのことばにできればと思います。【本書 はじめに より】
ことばは時代とともに新しく生まれ、また失われていく運命にあるものです。しかし、日本人が長年にわたって育んできたことばの中には、このまま消滅させてしまうにはあまりにも惜しいことばが数多くあります。特に、明治・大正・昭和の各時代までごく当たり前のように使われてきたことばの中には、日本人独特の心情が籠められたことばが少なくありません。

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