snsへの投稿 禁止
他方、公道で一般人が撮影する場合、こうした規約は恐らく適用されませんから(同規約1条(1)、33条3項ほか)、IOCが禁止・規制する法的根拠は希薄でしょう。
しかし、「聖火ランナーの肖像権」「著作物の映り込み」など気になることはある。また、そもそも、IOCは公道での聖火リレーの撮影を禁止することは可能なのだろうか。知的財産権にくわしい福井健策弁護士に聞いた。
一般人が公道で撮影した聖火リレーの動画はSNSに投稿することを禁止する—。そんな方針を東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が公表して批判を集めた。
●グッズ作成や販売用の為の撮影は禁止です。
●照明機材や大がかりな機材を設置しての撮影は禁止です。
自分撮りスティックや三脚を使用される場合は、安全を確保の上、導線を塞がないようにご留意下さい。また、周辺のお客様へ配慮の上ご使用下さい。
一方、金融業界は規制が厳しく、ある会社ではSNSの利用を原則禁止しています。
そうしたこともあって、IOCは撮影した動画の投稿を禁止するのではなく、『個人使用の目的で撮影し共有することを積極的に推進』しているのではないでしょうか」
●バックヤードや機器の裏側など、「舞台裏」にあたる場所の撮影は禁止です。
清水弁護士:「店側が「SNS拡散禁止」と取り決めを行うことは、問題がありません。どうしても投稿したいのであれば、店を利用しない自由があり、禁止を理解した上で利用する以上、それに同意したということになるためです」
SNS拡散禁止ルールを破り無断で投稿し存在を広めることはやはり「問題あり」ですが、損害賠償請求などは難しいようです。
そもそも、IOCは公道で行われる聖火リレーについて撮影を禁止できる権利があったのでしょうか。
清水弁護士:「SNSでの拡散禁止というルールがある中で無断で投稿することは、問題といえます。もっとも、具体的な損害が不明であることから、損害賠償請求などは難しいといえます。店を利用する上でのルールないし契約を守らなかったということで、今後の利用拒否などを受けるといったことになるかと思います」
「SNS拡散禁止」には、れっきとした理由があります。店側がルールを設定し、それに同意して利用した場合は、守るのが「筋」というものではないでしょうか。