美しい日本語 冬
11月は冬の入り口。この時季ならではの言葉をうまく取り入れてみてください。
冬の季語である「山眠る(やまねむる)」は、静まり返る冬の山を形容する言葉。動物たちの多くは冬ごもりや冬眠をしている静かな山が、鮮やかにイメージされますよね。この言葉の語源は、中国の山水画家の「冬山惨淡として眠るがごとく」という言葉です。
冬を表す言葉において冬をイメージする綺麗な単語6つ目は「冬木立(ふゆこだち)」です。冬になって枯れ果ててしまった木々を指します。「辺り一面冬木立」といえば、冬の物寂しい雰囲気を風情たっぷりに表現することができます。
けれど、冬の霞も気温が少し高くなってくる冬の終わりごろによく見られる景色です。風のない冬の朝や夕方に遭遇することが多いでしょう。季節の移り変わりを表現する美しい言葉ですね。
冬の始まりと終わりの時候の挨拶2つ目は「松の内の頃を迎えました」です。松の内とはお正月から門松を片付ける頃までを言います。新年の始まりに使える時候の挨拶です。1年の始まりを表す時候の挨拶は「新春」という言葉があるように、冬が終わり新しい春が訪れることを示してくれます。
なぜこの字が冬の言葉になるのかというと、実は別の意味があるのです。それは、奥深くもの静か、暗い、そして人の容易に知りえない深みがあるという意味。単に暗い空の色を表しているだけではない言葉なのです。
冬を表す言葉において冬の別の言い方・表現2つ目は「寒雷(かんらい)」です。冬の季節に鳴る雷のことを表します。冬の寒冷前線によって発達した積乱雲が起こす雷で、雪が降る前にこの雷がなった場合は「雪起こし」と言う表現もします。冬の季語として使うこともできる言い方です。
冬を表す言葉において冬の別の言い方・表現4つ目は「寒椿(かんつばき)」です。11月25日頃から2月10日頃までの、寒い冬の時期に開花する椿のことです。同じ頃に咲く「山茶花(サザンカ)」と見た目がとても似ている花です。とても濃いピンク色の花びらが特徴的です。
「天狼星(てんろうせい)」と呼ばれるおおいぬ座のシリウスの青白く輝く光もその1つ。「平家星(へいけぼし)」と呼ばれるオリオン座の恒星ベテルギウス、「北の色白」という和名があるこいぬ座のプロキシオンと共に、冬の大三角形を形作っています。
「寒の入りを迎えました」ということは「いよいよ冬も終わりに近づき、立春が訪れますね」という意味として使うことができます。冬の終わりを感じさせる時候の挨拶です。
晩秋の季語は、冬の厳しい寒さに耐えながらも春の訪れを待つ様子を表す際に使われます。晩秋の季語には「寒」や「雪」という漢字が多く使われているのも特徴の一つです。
冬の始まりと終わりの時候の挨拶1つ目は「寒の入りを迎えました」です。小寒を迎える1月6日頃のことを指す「寒の入り」は大寒の時期が終わる2月3日頃に終わりを迎え翌日に立春を迎えます。立春を迎えるということは暦の上で春が訪れるということです。
俳句などに昔から使われる季語や言葉には、日本の冬をイメージさせる味わい深くかっこいいものがたくさん。親しみやすいカジュアルな季語は、子どもにも使いやすいですね。
冬は人間にとって快適に過ごせない状況です。昔の人たちは、そうした不快な状況を美しい言葉で表現することで、心を整えようとしていたのかもしれませんね。それでは、寒さを伝える美しい言葉を見ていきましょう。
冬を表す言葉は他にもたくさんあります。冬がつく冬をイメージする単語や言い方を、意味と一緒にチェックしておきましょう。色々な単語を知っていると、いつもの冬ももっと美しく感じることができます。