できる日本語 中級 教え方
『できる日本語』にはそれぞれ行動目標があり、それに向かってゴールとして【できる!】があります。『できる日本語』のコンセプトが十分に理解されていなかったり、言語的知識にばかり目が行ってしまっているために、【できる!】をカットしてしまうことがあるようです。また、【できる!】のやり方がわからず、困っているという声も耳にします。
3つのST(初中級は2つ)の学習が終わってから、各課の行動目標に即した総合的な活動を行います。それが【できる!】です。どんな【できる!】のやり方があるか、ホームぺージにエクセル表が載っていますので、参考にしてください。また、実践例もいくつかアップされています。今後、いろいろな先生方の実践例を「できる日本語ひろば」を活用して共有できることを願っています。
「別冊に新出語彙が入っている理由」ですが、『できる日本語』は場面・状況を大切にして、あるテーマのもと課が作られていますので、入れたくても入れることができない語彙も出てきます。そのために、別冊を使用して語彙学習の充実を図っています。
『できる日本語 中級』は、「初級」「初中級」に続いて、2013年4月に出版されました。「中級」では、「こんなときどうする?」「見つけた!」「耳でキャッチ」「伝えてみよう」と、4種類のタスクが用意されています。どうしても読解や言語的知識の学習が中心になりがちな中級レベルですが、本冊を使用することによって、学習者は楽しみながら4技能をバランスよく学ぶことができます。また、日本語能力試験に求められる言語的知識も自然に身につけることができるようになっています。
これが、『できる日本語』の特徴の1つである「タスク先行~まずチャレンジ!」です。
本冊には2つのマークがあります。よく見落としている先生がいらっしゃいますが ぜひ注目してください。ただし、『できる日本語』は、どの箇所も学習者の主体的な学びを大切にしていますが、特に考えてほしいところ、自分のことで話してほしいところに記しをつけてあります。
では、『できる日本語初級』8課「大切な人」を取り上げ、授業の流れに沿って、各項目について説明したいと思います。