しかし ビジネスマンとして正しい日本語を使うのは基本です

また何かと世間をにぎわせることの多い「ことばの誤用」についても、神永さんは、辞書編集者ならではの視点で自身の見解を示しました。「今は間違いだと言われていても、かつては間違いではなかったという例があります。たとえば“やんごとない”ということば。平安時代の文学『源氏物語』の冒頭に『いとやんごとなき際にはあらぬが、優れて時めきたまふありけり』という一文がありますが、この場合は『高貴な』という意味で使っています。一方、『今日、やんごとない理由で休むよ』のように、『のっぴきならない』という意味で使っているケースがあり、これを誤用だと指摘する人がありました。本当に誤用かということで古い例を見ると、同じ平安時代の文学『蜻蛉日記』に『うちにしもやんごとなきことありとて、出でむとするに』という文があり、この場合は『(宮中に)よんどころない用事があって』という意味で使われています。このように実際の用例を当たると、決して間違った使い方ではないということも多くあります」「人は思い込むと、自分の知識こそが正しいと思い、違う意見を持つ人を『間違いだ』と攻撃したりすることがあります。しかし、どちらかが必ずしも間違いというわけではありませんし、正解はひとつではありません。私は日頃から『“正しい日本語”というのは幻想だ』とかなり過激なことを言っているのですが(笑)、ことばというのは変わりますし、人によって使い方も異なるので、みんながもっとゆるやかにその変化や差異を受け止められる社会であればいいな、と思っています」

正しい日本語とは何か、どんなものか、ということについて述べてきました。では、正しい日本語を身につけるにはどのような方法があるのでしょうか。

すべてを一度に身につけようとすると、大変かもしれません。書籍や通信講座などを使って、自分が間違って使っていた日本語をひとつずつ直していきましょう。「正しい日本語」を意識するだけでも、他の人の会話が耳に入ってきたり、自分が話すときに使い方を考えたりするようになります。

しかし、ビジネスマンとして正しい日本語を使うのは基本です。また、幅広い年代の方と話をする場合、正しい日本語が話せる人は信頼されます。ビジネスにおいても大きなチャンスになるかもしれませんよ。

まずは「正しい日本語を使うのだ」という意識を持って、ビジネスマンとしても日本人としてもしっかりとした日本語を使えるようになりましょう。

正しい日本語を学ぶには目的が明確な方がやる気が持続しますよね。実践できるのが一番ですが、そのような機会がない方は資格取得を目指してみても良いでしょう。資格を取得することで自信がつきます。

企業によっては社内研修によって、ビジネスで使える正しい日本語を身につけることができます。社内研修といっても講師は外部に依頼するプロです。どのような会社・団体が行なっているのかみていきます。

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