

前橋市では、再び談合事件が発覚しました。11月、前橋市が発注した水道工事の予定価格を漏らしたとして、元副市長の戸塚良明容疑者と業者社長2人が逮捕されました。戸塚容疑者は去年、市職員による談合事件を受けて発足した調査委員会のトップを務めていたことから、市民に衝撃を与えました。
凶悪な殺人事件も複数発生しました。4月、みどり市の民家で火災があり、焼け跡から男性の遺体が見つかりました。県警は殺人・放火事件と断定し捜査本部を設置。5月にフィリピン国籍の男を強盗殺人などの容疑で逮捕しました。
9月には伊勢崎市の民家で1人暮らしの90歳男性が死亡しているのが見つかりました。県警は殺人事件と断定し、捜査本部を設置しましたが、およそ3カ月が経った現在も犯人の逮捕には至っていません。
10月には太田市にあるラーメン店で営業中に店長の男性が刺殺されました。殺人の容疑で送検されたのは以前この店でアルバイトをしていた男で、刺し傷は10カ所以上に及ぶ白昼堂々の凶行でした。
11月、伊勢崎市のアパートでネパール国籍の女性が死亡しているのが見つかり、刃物を持った男が逃走したと目撃情報がありました。翌日、新潟県内で発見された女性の知人でネパール国籍の男が殺人容疑で逮捕・送検されました。
事故も相次ぎました。1月、渋川市の国道で走行中の大型トラックの後輪タイヤが外れ、歩行者に直撃。ろっ骨を折るなどの重傷を負いました。この事故でトラックの女性運転手と運送会社の社長が過失運転致傷の疑いで書類送検されました。
6月、沼田市の小学校で理科の授業中にメタノールが引火し、児童4人がやけどを負いました。実験を行った男性教諭は誤った手順で実験を行ったとして業務上過失傷害の疑いで書類送検されました。
さらに判決が出た事故も。おととし12月、伊勢崎市の北関東道で乗用車がガードレールに衝突し、女性4人が死傷しました。判決公判が8月に開かれ、乗用車を接近させ事故を誘発したとして栃木県の会社役員の男に禁錮2年が言い渡されました。当初、単独事故かと思われた事故でしたが真実を知りたいという遺族らの執念が実刑判決へとつながりました。
今年は節目の年でもありました。藤岡市の関越自動道でツアーバスが防音壁に衝突し7人が死亡、38人が重軽傷を負った事故から10年を迎えました。遺族は事故発生時刻の午前4時40分に現場下に設置された献花台に手を合わせました。
さらに日航ジャンボ機墜落事故から37年。新型コロナウイルスの影響で去年に引き続き、規模を縮小して追悼慰霊式が行われました。事故現場「御巣鷹の尾根」では、2019年の台風19号の復旧工事が10月に完了し、通行止めとなっていた村道が3年ぶりに解除されました。
今年の刑法犯の認知件数は10月末現在で8,299件、前年の同じ時期と比べて715件増加し、18年ぶりに増加に転じる見込みです。来年は新型コロナウイルスの経済活動の再開に伴い、事件・事故の件数が増加することが懸念されます。1人1人が対策に努め、平和な2023年が訪れることを願わずにはいられません。